家の近くの山道にねこやなぎの木があります。
毎年2月から3月頃なると、小さな芽が出てきます。
まるでネズミのような形をした、ネコヤナギの芽が見えるんです。
ちょうど去年の今頃、2人でネコヤナギを見てたのを思い出します。
ネコヤナギは暖かくなると、少しずつ成長します。
春が来る頃になると、緑の葉っぱも見せてくれます。
その成長過程を2人で楽しく見て、話しをしていました。
今でも、鮮明に去年の今頃のことを思い出します。
それからちょうど1年経ったということです。
一年前は、共にネコヤナギの成長を見ていました。
しかし、いつしか希も一緒に散歩に行くことができなくなりました。
今日1人でネコヤナギの木を見たとき、
希がそばにいるような気がしました。
今、希はこの中にはいない。
でも、自然は変わらず、ネコヤナギは今も去年と同じようにあります。
去年と同じように成長しています。
希がこの世にいなくなって、寂しいし、苦しい。
.でも、自然は変わらず春が来たら、ねこやなぎが成長しています。
他の植物も、同じでしょう。
ネコヤナギは、間もなく、緑の葉っぱが出てくるでしょう。
自然は変わらない。
私の心だけが寂しく思っている。
希は天国に行った。
今苦しい体から離れて、楽になっているはずです。
寂しいのは、私が一緒にいたい、って言う欲みたいなものです。
ふと考えれば、希は今、天国にいる。
だったら彼女が快適に過ごせるよう、
彼女が笑顔になるようなことをしよう。
希は、人のことをよく考える、とても心が優しい人でした。
体が不自由だったから、何か友達にしてあげたいことが、思うようにできませんでした。
故郷に帰って、整体の先生に行くときは、
できる限り、何か私の手作りのお菓子などを持って行かせました。
希本人も、周りの人たちも、嬉しかったみたいです。
彼女の笑顔を思い出します。
希が笑顔になるようなこと、
今からしていこうと思います。